経営者が知っておきたい豆知識。 (第31回 相続対策の落とし穴【第2編】)
■ 〜オペレーティングリースによる節税、本当に出口まで見えていますか?
近年、中小企業オーナーを中心に利用されている相続・節税対策の一つが、オペレーティングリースです。
航空機や船舶などを活用した商品が代表例ですが、「大きな損金が取れる」「利益圧縮ができる」といったメリットばかりが強調されるケースも少なくありません。
しかし、オペレーティングリースは非常に“出口設計”が重要な商品です。
多くの商品では、投資初期に大きな損失計上が可能となり、法人税の繰延効果が期待できます。あくまで“繰延”であり、将来的には利益計上が発生します。
つまり、「税金がなくなる」のではなく、「税金を後ろへずらしている」側面が強いのです。
さらに、元本保証はなく、出口時には中古市場価格や為替の影響を受けるため、投資元本を大きく割り込むなど、想定どおりのリターンにならないこともあります。
また、相続発生時期によっては、想定していた評価減が出ない・流動性が低く換金しづらい・相続人が商品内容を理解できないといった問題も発生します。
特に注意したいのが、「節税目的だけ」で加入してしまうケースです。
オペレーティングリースは、本来、資産配分・キャッシュフロー・相続タイミングなどを総合的に考えて設計する必要があります。
しかし実務では、「利益が出ているから入る」だけで意思決定されることも少なくありません。
結果として、資金繰りが悪化・出口で想定外の損失・相続人が処理できないといった問題につながるケースがあります。
■ まとめ
オペレーティングリースは、適切に活用すれば有効な資産・税務対策となります。
しかし節税効果だけを見ている・出口戦略がない・流動性を考慮していない場合には、相続発生時に大きな問題となる可能性があります。
重要なのは、「節税できるか」ではなく、「最終的に資産がどう残るか」を見据えて設計することです。
■ 免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の税務・法律・投資に関する断定的な判断やアドバイスを行うものではありません。
実際の税務申告や投資判断におかれましては、個別の状況に応じて税理士などの専門家にご相談の上、ご自身の責任においてご判断ください。