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経営者が知っておきたい豆知識。 (第32回 法人保険の出口戦略【パート2】)

法人保険の出口戦略【パート2編】

〜加入後のメンテナンスが会社の将来を左右します〜
法人保険は、加入時に出口戦略を設計すれば、それで終わりというわけではありません。
前回のパート1では、法人保険を有効に活用するためには、「どの商品に加入するか」だけでなく、「いつ」「何のために」「どのように活用するのか」という出口戦略が重要であることをご紹介しました。しかし、法人保険は10年、20年と長期間にわたって契約を継続することも珍しくありません。その間に会社の経営状況や経営者を取り巻く環境が変化する可能性があります。

例えば、加入当初は10年後の役員退職金準備を目的としていたものの、経営者が予定していた時期に退職しないこともあります。また、親族への事業承継を予定していた会社が、後継者不在などを理由にM&Aによる第三者承継へ方針転換することも考えられます。会社の売上や利益、借入金、従業員数、役員構成なども変化します。

それにもかかわらず、保険だけを加入当初の計画のまま放置してしまうと、現在の会社の状況と保険契約の内容が合わなくなる可能性があります。

会社の成長によって借入金や従業員数が増加しているにもかかわらず、経営者に万一のことがあった場合の保障額が加入当初のままであれば、必要な事業保障資金が不足することがあります。反対に、借入金の返済が進み、後継者への事業承継も完了しているにもかかわらず、必要以上の保障を継続し、高額な保険料を支払い続けているケースも考えられます。また、注意したいのが解約返戻金の推移です。

法人保険の中には、一定期間を過ぎると解約返戻率が低下する商品もあります。加入時には解約返戻率のピークを把握していても、10年以上経過するうちに経営者や担当者が変わり、その情報が社内で引き継がれていないケースもあります。その結果、「気がついた時には解約返戻率のピークを過ぎていた」ということにもなりかねません。

さらに、税制改正にも注意が必要です。

法人保険を取り巻く税務上の取扱いは、これまでも改正されてきました。加入当時の税務上の考え方や活用方法が、その後も同じとは限りません。
そのため、法人保険には定期的なメンテナンスが必要です。

ここでいうメンテナンスとは、単に現在の保険を解約して、新しい商品へ加入し直すことではありません。
現在の保障額は適正か、解約返戻金はいくらあるのか、返戻率のピークはいつか、保険料負担は会社のキャッシュフローに合っているか、将来どのような資金需要が予定されているかなどを確認することです。

その結果、現在の保険をそのまま継続することが最適な場合もあります。

一方で、会社の状況によっては、一部解約や払済保険への変更などを検討することも考えられます。重要なのは、「新しい保険に加入すること」ではなく、「現在保有している保険を今後どのように活用するのか」という視点です。法人保険は会社の大切な資産の一つです。

しかし、自社がどのような保険に加入しているのか、現在の解約返戻金はいくらなのか、いつまで保険料を支払うのかを経営者自身が把握していないケースもあります。保険を経営資源として活用するためには、保険会社や営業担当者に任せきりにするのではなく、経営者自身が契約内容や出口戦略を把握しておくことも重要です。

■ まとめ

法人保険は、加入時に出口戦略を設計して終わりではありません。
売上や利益、借入金、役員構成など経営環境は変化するため、保険も定期的な見直しが必要です。見直しとは、新しい保険へ加入し直すことではなく、現在保有している契約を活かしながら出口戦略を最適化することです。法人保険を「加入して終わり」ではなく、「定期的にメンテナンスする経営資源」と考えることが、会社の将来を守る重要なポイントといえるでしょう。

 

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