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経営者が知っておきたい豆知識。 (第33回 対象者拡大!?ミニマムタックスとは?【パート1】)

■ミニマムタックスとは

株式や不動産などの資産を保有する経営者は、売却や配当によって一時的に大きな所得が生じる年の税負担に注意が必要です。特に確認しておきたいのが、いわゆる「ミニマムタックス」です。正式名称を「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」といいます。

所得税は、所得の種類によって税率や計算方法が異なります。そのため、所得の多くが株式や土地・建物の譲渡所得、上場株式等の配当所得である場合、所得全体に対する税負担率が相対的に低くなることがあります。こうした負担の差を一定程度是正することが、この制度の目的です。

この制度は、毎年継続して高額な所得を得ている人だけを想定したものではありません。自社株式や長期間保有してきた不動産の売却などにより、特定の年だけ所得が大きく増える経営者や資産保有者も対象となる可能性があります。

■現在の仕組み

現行制度は2025年分以後の所得税から適用されています。基準所得金額が33,000万円を超える超富裕層について、次の金額と通常の方法で計算した所得税額など(基準所得税額)を比較し、前者が上回る場合に差額を追加で納めます。

基準所得金額には、給与・事業・不動産などの所得に加え、株式等や土地・建物の譲渡所得など、総所得金額と分離課税の各種所得金額が幅広く含まれます。
複数の所得が同じ年に重なる場合は、合計額での確認が必要です。

現行:(基準所得金額-33,000万円)×22.5

したがって、基準所得金額が33,000万円を超えただけで、一律に追加課税されるわけではありません。

■2027年から制度が大きく変わるため対象者が拡大します。

2026年度税制改正により、2027年分以後は控除額が16,500万円へ引き下げられ、税率は30%へ引き上げられます。

改正後:(基準所得金額-16,500万円)×30

このため、これまで追加負担が生じなかった人でも、新たに影響を受ける可能性があります。対象はM&Aによる自社株式売却だけではなく、事業承継時のHDへの自社株式譲渡、不動産の売却や配当など幅広い所得です。

改正後の計算は202711日から1231日までに生じる所得から適用されます。資産売却や事業承継を予定している場合は、契約日だけでなく、税務上どの年の所得になるのかも確認しておくことが重要です。

■申告不要の所得にも注意

基準所得金額には、確定申告不要制度を適用できる上場株式等の配当所得や譲渡所得等の金額も含まれます。申告不要を選択しただけで判定対象から外れるわけではありません。一方、NISAによる配当や譲渡益などの非課税所得は対象外です。

なお、実際の追加税額は、通常の所得税額のほか、申告不要所得に係る源泉徴収税額なども含めて比較します。そのため、基準所得金額が控除額を超えていても、追加負担が生じない場合があります。

※まとめ

ミニマムタックスは、現行では一部の上場企業創業者等だけの問題ですが、今後は資産の売却や事業承継を予定している経営者にも対象が拡大します。売却後の資産承継や相続税の納税資金を準備する方法として生命保険が有用活用できる場合があります。生命保険の活用についてお気軽にご相談ください。

次回のパート2では、対象となる取引と計算例を分かりやすくご紹介します。

※本稿は制度の一般的な概要です。具体的な税額や課税関係は税理士等の専門家へご確認ください。

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