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経営者が知っておきたい豆知識。 (第20回 事業承継とM&A編)

今回は事業承継とM&Aについて掲載いたします。
2025年現在、中小企業における事業承継の重要性がかつてなく高まっています。中小企業庁が公表した「2025年版中小企業白書」では、経営者の年齢が60歳以上の企業が全体の約7割を占めており、そのうち約半数が後継者未定の状態にあると報告されています。特に70代以上の経営者が多い地域では、今後5年以内に廃業の判断を迫られる企業も少なくありません。
親族内承継の難しさや、後継候補の不在といった課題を背景に、事業承継の手段として「M&A」が注目されています。近年は中小企業向けM&Aのマッチングプラットフォームも整備され、以前よりハードルは下がっていますが、それでも「信頼できる相手が分からない」「手数料が不透明」といった不安が経営者の心理的な障壁となってきました。
このような背景を受けて、国は2021年から「中小M&A支援機関登録制度」を導入し、現在も制度の整備・拡充が続いています。この制度は、仲介業者やファイナンシャル・アドバイザー(FA)の中から、一定の倫理基準や専門性を満たした者を「登録支援機関」として公開し、中小企業が安心して相談できる環境を整えることを目的としています。
この登録支援機関を活用することで、M&Aの初期相談から実行までを一貫してサポートしてもらえるほか、国の「事業承継・引継ぎ補助金」の対象ともなるため、費用面の負担も軽減されます。2025年現在では、M&Aに要する仲介手数料や専門家費用について、補助が認められる枠も設けられています。なお、補助対象となるには登録支援機関を利用することが条件となります。
こうした制度が整ってきた今、事業承継やM&Aは「引退時に考えるもの」ではなく、「事業の継続と成長のために、計画的に準備するべきもの」へと位置づけが変わってきています。実際、承継準備には少なくとも23年の期間が必要とされており、財務の整理や業務の可視化、従業員・取引先への説明など、やるべきことは多岐にわたります。
また、急な体調不良や経営環境の悪化などにより、「売りたくても売れない」状況に陥る企業も少なくありません。だからこそ、まだ事業が健全なうちに動き出すことが、後継者候補や買い手企業に選ばれるための重要な条件となります。
事業承継は、経営者の人生の集大成とも言える大切な意思決定です。そして、その意思決定を支える制度と専門家のネットワークは、かつてないほど整いつつあります。「いつか」ではなく「今から」。将来の選択肢を広げるためにも、まずは登録支援機関への相談から始めてみてはいかがでしょうか。中小企業の価値を未来につなぐ、その第一歩が今、求められています。
次回は事業承継・引継ぎ補助金・M&A補助金についてご案内いたします。
詳細につきましては以下URLよりご確認ください。
https://www.smrj.go.jp/sme/succession/index.html

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