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経営者が知っておきたい豆知識。 (第17回 経営承継円滑化法編 ④ 遺留分に関する特例)

前回は「経営承継円滑化法」の金融支援について解説しましたが、今回はその続編として「遺留分に関する特例」に焦点を当て、活用方法やメリットを掘り下げます。
中小企業にとって事業承継は避けられない課題であり、特に相続時の遺留分を巡る争いは、後継者の経営権を脅かしスムーズな承継を阻害する要因になります。こうしたトラブルを防ぐために設けられたのが「経営承継円滑化法」の遺留分に関する特例です。本記事では、その適用プロセスや具体的な活用例を紹介し、実践的な視点から特例のメリットを解説します。

■遺留分とは?
遺留分とは、相続人に最低限保証されている遺産の取り分のことです。たとえば、被相続人(先代経営者)が遺言によってすべての株式を後継者に譲った場合でも、他の相続人は「遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)」を行い、持分を主張することができます。これにより、事業の経営権が分散し、後継者の経営が不安定になるリスクが生じます。
そこで活用したいのが、「遺留分に関する特例」です。

■遺留分に関する特例の内容
経営承継円滑化法の遺留分に関する特例では、以下の2つの措置を通じて後継者がスムーズに経営権を確保できるようになります。

① 除外合意(株式を遺留分算定の対象から外す)
被相続人(現経営者)の生前に、推定相続人全員の合意を得て、後継者が取得した株式を「遺留分の計算対象から除外」することができます。これにより、遺留分減殺請求による経営権の分散を防ぐことが可能です。

例① ~  父(社長)が長男に株式100%を贈与
遺留分の計算からこの株式を除外することで、他の相続人が遺留分減殺請求を行えなくなる

② 固定合意(株式の評価額を事前に決定)
遺留分の対象には含めるものの、生前に推定相続人全員の合意を得て、株式の価値を固定 することができます。これにより、相続発生時に株価が急騰した場合でも、当初の合意時の評価額で遺留分が計算されるため、後継者の負担を軽減できます。

例② ~  事前に「株式1株=100万円」と合意
相続発生時に株価が200万円になっても、遺留分計算は100万円を基準に行われる

■遺留分に関する特例を活用するメリット
この特例を活用することで、以下のようなメリットがあります。

① 後継者が経営権を確実に取得できる
遺留分減殺請求による株式の分散を防ぎ、後継者が安定した経営を行えるようになります。
② 相続トラブルを未然に防げる
推定相続人全員の合意のもとで特例を適用するため、相続時のトラブルを事前に回避できます。
③ 相続発生時の混乱を最小限に抑えられる
生前に合意を得ておくことで、相続発生後の争いを防ぎ、スムーズな事業承継が可能になります。

■まとめ
経営承継円滑化法の 「遺留分に関する特例」 は、事業承継において遺留分の問題をクリアするための強力な制度です。特に、家族間のトラブルを避けながら後継者が確実に経営権を握るためには計画的に特例を活用することが重要です。

詳細については、中小企業庁の公式サイトをご覧ください。

中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu.html

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