経営者が知っておきたい豆知識。 (第16回 経営承継円滑化法編 ③)
日本の中小企業にとって、事業承継は避けて通れない重要な課題の一つです。 特に、後継者が円滑に事業を引き継ぐための資金確保が大きな壁となり、承継の障害となるケースも少なくありません。 こうした問題を解決し、円滑な事業承継を実現するために制定されたのが「経営承継円滑化法」です。 本記事では、前回に続き、この法律の中でも特に資金面での支援に焦点を当て、中小企業信用保険法や日本政策金融公庫法の特例を活用した金融支援について詳しく解説していきます!
■ 金融支援とは?
金融支援とは、事業承継に伴う資金調達を円滑にするために中小企業が利用できる信用保証や公的融資の特例措置を指します。
金融支援の内容は、経営承継円滑化法に基づき大きく以下の3つの類型に分類され、特例内容については「信用保証の特例」と「日本政策金融公庫の特例融資」の2つとなります。
■ 金融支援の類型
① 経営を承継した後に必要となる資金
イ.後継者が自社の株式や事業用資産を買い取るための資金
ロ.後継者が相続や贈与によって自社の株式や事業用資産を取得した場合の相続税・贈与税の納税資金
ハ.仕入先の取引条件や取引先金融機関の借入条件が厳しくなったことにより必要となる資金(信用保証のみ)
② これから他の中小企業者の経営を承継するにあたり必要となる資金
イ.これからM&Aにより他社の株式や事業用資産を買い取るための資金
③ 認定日から経営の承継の日までの間に、現経営者の保証が付されている借入れを借り換えるための資金(経営者保証は不要)
■ 特例内容
1)信用保証の特例(中小企業信用保険法の特例)
経営承継円滑化法に基づく認定後、中小企業者又は個人の方が、金融機関から資金を借り入れる場合には、原則として信用保証協会の通常の保証枠とは別枠が用意されています。
① 通常枠 (普通保険) 2億円 + 別枠
② 通常枠 (無担保保険) 8,000万円 + 別枠
③ 通常枠 (特別小口保険) 2,000万円 + 別枠
2)日本政策金融公庫の特例融資(日本政策金融公庫法の特例)
① 融資限度額(国民生活事業):別枠7,200万円(うち運転資金4,800万円)
② 融資限度額(中小企業事業):直接貸付14億4千万円
※利率は所定の利率が適用
■ まとめ 経営承継円滑化法の金融支援(信用保証の特例・日本政策金融公庫の特例融資)
後継者の資金調達を円滑にし、事業承継をスムーズに進めるための重要な制度です。 特に、信用保証の拡充や低金利融資は大きなメリットとなるため計画的な活用が求められます。
① 事業承継時の資金計画を早めに立てることが重要!
② 認定支援機関や金融機関に相談しながら、適切な制度を活用しよう!
詳細については、中小企業庁の公式サイトをご覧ください。
中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu.html