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税理士個別相談。(一時所得の「マイナス」って何?保険契約の売買をめぐる注意点)

最近、ある経営者の方からこんなご相談がありました。
「法人から自分(社長個人)で買い取った保険を、妻に売却しました。自分は損しているのでマイナスの一時所得になると保険代理店に言われたんです。加えて、別の保険を解約して利益が出たので、それと相殺して確定申告しました。これで問題ないでしょうか?」一見、理屈が通っているように見えるこのケース。ですが、税務の観点からは多くの論点が含まれています。本日は「マイナスの一時所得とは何か?」というテーマで、保険契約にまつわる実例を交えながら整理してみましょう。


【一時所得とは?その特徴と通算ルール】
一時所得とは、懸賞金や保険の一時金など、「臨時・偶発的」に得た所得を指します。大きな特徴は以下の通りです。
・収入必要経費特別控除(最大50万円)×1/2 = 課税対象額
他の所得(給与・事業など)との損益通算ができない
通算できるのは他の一時所得とのみ(内部通算)
つまり、仮にある一時所得でマイナスが出た場合、それを他の所得と相殺して節税することはできません。


【では、「マイナスの一時所得」とは何か?】
実務上、一時所得に該当するものでマイナスになる例は非常に少数です。以下のようなケースが考えられます。
・競馬や懸賞で大きな支出をしたものの、当選金が少なく赤字になった
保険の一時金を受け取るためにかけた保険料が、受取額を上回った
ただし、こうした「マイナス」は一時所得の中だけでしか意味を持たず、給与や事業の黒字と相殺できるわけではありません。


【今回のケースの論点整理】
今回のご相談の中には、いくつか重要な論点があります。
① 保険契約の売買は一時所得?
実は、保険契約の「売買」で生じた損益は、一時所得ないし譲渡所得となります。

② 夫婦間の売買は「成立」するのか?
形式的には売買契約を交わしていても、実態が伴っていなければ税務上は否認される可能性があります。同一家計で生活費を共有している夫婦間の場合、売買の対価が本当に支払われたのか、取引に合理性があるのかが問われます。

③ 赤字の一時所得で利益と相殺できるか?
仮に一連の取引をすべて「一時所得」と見なした場合でも、赤字があっても一時所得同士でしか通算できません。その判定には、それぞれの取引の性質や譲渡・解約に至る経緯が極めて重要です。


【税理士からのひとこと】
税金に関連する保険提案は、意図せずグレーゾーンに踏み込むリスクがあります。保険代理店からの提案は一つの意見として受け止めつつも、最終的な判断は税務の専門家に必ずご相談ください。税務署からの否認や加算税リスクを避けるためにも、「形式だけでなく実態のある取引であること」が何より大切です。


【まとめ】
・「マイナスの一時所得」は理論上存在するが、損益通算は内部通算に限定される。
・保険契約の売買は一時所得ではなく、譲渡所得となる可能性が高い。
同一家計内の売買は税務上、実態をもっていなければ否認リスクがある。
・ 税金に関連する保険活用
は慎重に。専門家とよく相談をお願い致します。

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