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役員退職金に係る疑問 分掌変更・現物支給・年金対策との関係を税務目線で解説

役員退職金は、事業承継や世代交代の場面で重要なテーマですが、税務調査で否認されやすい論点も多い分野です。
本記事では、実務で特に相談の多い以下の3点について整理します。
・分掌変更と役員退職金
・役員退職金の現物支給
・年金受給を意識して給与を低くしている場合の役員退職金

1.分掌変更と役員退職金

分掌変更に伴う役員退職金は、実務上最も否認リスクが高い論点の一つです。
代表取締役から会長へ変更するなどのケースでは、形式上は退任に見えても、税務上は『実質的に退職といえるか』が厳しく判断されます。
実務では原則として退職とは認められにくく、例外的に次のような事情がある場合に限り検討対象となります。
・代表権の完全喪失
・報酬の実質的な大幅減額
・経営意思決定からの完全離脱
・後継者への実質的な経営移行
肩書のみの変更では否認される可能性が高いため、実態の整備が重要です。

2.役員退職金の現物支給

役員退職金を不動産や株式などの現物で支給すること自体は法律上直ちに否定されていません。しかし実務上は慎重な検討が必要です。
主な注意点は以下のとおりです。
・現物は時価評価が原則
・時価算定の妥当性が厳しく確認される
・法人側に譲渡益課税が発生する可能性
・消費税や不動産関連税が連動する
現物支給は『可能』であっても、税務リスクが高いため、原則として現金支給が安全といえます。

3.年金対策で給与を低くしている場合の役員退職金

年金受給や社会保険料対策のために役員報酬を低く設定しているケースも増えています。
役員退職金は一般的に
最終報酬月額 × 勤続年数 × 功績倍率
で算定されます。
報酬を意図的に低くしていた場合、その分功績倍率を高めると、税務上は不合理と判断される可能性があります。

特に否認されやすいのは以下のケースです。
・退職直前に報酬を引き下げている
・業務内容と報酬水準が乖離している
・同業他社比較で不自然
年金対策自体は問題ありませんが、退職金算定との整合性を慎重に整理する必要があります。

まとめ

役員退職金は『支給してはいけない』ものではありません。
しかし、分掌変更・現物支給・年金対策との関係を整理せずに支給すると、税務調査で否認されるリスクがあります。

支給前の設計と資料整備が最も重要です。
事前に専門家へご相談されることをおすすめします。

 

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