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経営者が知っておきたい豆知識。 (第33回 対象者拡大!?ミニマムタックス【パート2】)

■経営者が注意したいミニマムタックス【パート2】

~対象となる取引と計算例を確認しましょう~

パート1では、2027年分からミニマムタックスの控除額と税率が変更されることをご紹介しました。今回は、経営者に関係しやすい取引と、簡単な計算例を確認します。

■M&A以外にも対象となる場合があります

例えば、①M&Aでオーナー個人が自社株式を売却する場合、②事業承継の一環として持株会社(HD)へ自社株式を売却する場合、③長年保有した土地・建物を売却する場合、④上場株式等から多額の配当を受ける場合などです。

持株会社への株式売却では、会社グループ内の組織再編という印象があっても、売主であるオーナー個人には株式譲渡所得が発生することがあります。譲渡価額が大きい場合は、事業承継の計画段階からミニマム課税を含めた手取額を試算しておく必要があります。

また、相続人が納税資金を確保するため、相続した非上場株式を発行会社へ売却する場合もあります。通常は売却代金のうち一定額が配当所得とみなされることがありますが、相続した株式について一定の要件を満たすと、みなし配当課税を行わず、売却代金の全額を株式譲渡所得の収入金額とする特例があります。

この特例の適用可否や相続税額の取得費加算などにより、所得金額は変わります。相続株式を発行会社へ売却する場合は、売却前に要件と申告期限を確認することが大切です。

なお、この制度は個人の所得税に関するものです。法人が保有する株式や不動産を売却する場合は、法人税の問題となります。

売却価格ではなく「所得」で判定します。

株式や不動産の売却価格が、そのまま基準所得金額になるわけではありません。一般に譲渡所得は、売却代金から取得費や譲渡費用などを差し引いて計算します。さらに、その年の給与・事業・不動産・配当などの所得も合わせて判定します。

取得費を確認できる資料がない場合や、複数回に分けて取得した株式を売却する場合は、所得計算が複雑になることがあります。売買契約書、株主名簿、出資時の資料などは早めに確認しておきましょう。

■簡単な計算例

基準所得金額が4億円、通常の方法で計算した所得税額など(基準所得税額)が6,000万円と仮定します。

現行制度:(4億円-3億3,000万円)×22.5%=1,575万円

1,575万円は基準所得税額6,000万円を下回るため、ミニマムタックスによる追加税額はありません。

2027年分以後:(4億円-1億6,500万円)×30%=7,050万円

7,050万円が基準所得税額6,000万円を上回るため、差額1,050万円が追加税額となる計算です。

※説明を簡単にするための概算例です。実際には所得の内訳、源泉徴収税額、各種控除、復興特別所得税・防衛特別所得税などを踏まえた個別計算が必要です。

■まとめ

同じ売却金額でも、取得費や他の所得によって税負担は変わります。大きな資産の売却や配当、事業承継を予定している場合は、「誰が・何を・いつ売却するのか」を整理し、実行時期も含めて早めに専門家へ確認しましょう。生命保険はミニマムタックスそのものを減らすものではありませんが、売却後の資産承継や相続税の納税資金を準備する選択肢となる場合があります。一定の要件を満たす死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の相続税の非課税限度額もあります。生命保険を活用した備えについても、お気軽にご相談ください。

※本稿は制度の一般的な概要です。具体的な取引については、税理士等の専門家へご確認ください。

 

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