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経営者が知っておきたい豆知識。(年収の壁編 part2)

前回はパートタイマー等の短時間雇用者における年収の壁にについてご案内しましたが、今回は続編として就業時間調整への支援についてご案内いたします。

■就業時間調整への支援について(年収の壁強化パッケージ)
パートタイマーなどの短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援するため、当面の対応として下記施策(支援強化パッケージ)が取り組まれており、今後も更なる制度の見直しが予定されています。
※出典:厚生労働省 キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)

1)106万円の壁への対応「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」
         2023年10月以降、キャリアアップ助成金の種類に社会保険適用時処遇改善コースが増えました。
         ①手当等支給メニュー ②労働時間延長メニュー ③併用メニュー等3つのコースとなります。

 

①手当等支給メニュー
             企業側(事業主)が新たに社会保険の適用を行う際に、「社会保険適用促進手当」の支給等により労働者の収入を増加させる場合に労働者1人あたり最大50万円を助成されます。社会保険の加入により、従業員の手取りが減った分を社会保険適用促進手当等で会社が支給することで減少した手取り分を補填するようなイメージとなります。なお、社会保険適用促進手当は社会保険算定の対象外となります。

年度 要件 申請時期 1人当たり助成額
1年目 ① 賃金 (標準報酬月額・標準賞与額)の1 5 % 以上分を労働者に追加支給すること(社会保険適用促進手当など) 左欄の取組を 6ヵ月間継続 した後2ヶ月以内 6ヵ月ごとに 10 万 円 ×2 回
( 大企業は 7.5 万 円 × 2 回 )
2年目 ② 賃金の 1 5 % 以上分を労働者に追加支給する(社会保険適用促進手当など)とともに、3年目以降、以下③の取組が行われること 左欄の取組を 6ヵ月間継続 した後2ヶ月以内 6ヵ月ごとに 10 万 円 ×2 回
( 大企業は 7.5 万 円 × 2 回 )
3年目 ③ 賃金(基本給)の1 8 %以上を増額させていること(労働時間の延長との組み合わせによる賃金増額も可能) 左欄の取組を 6ヵ月間継続 した後2ヶ月以内 6ヵ月で 10 万 円
( 大企業は 7.5 万 円 )

      活用ケース
      ■ 現在
         ①年収:106万(時給1,016円)
         ②所定労働時間:週20時間

      ■ 1年目
        ①年収:106万(時給1,016円)+ 社会保険適用促進手当:16万 = 122万
        ②所定労働時間:週20時間
        ③標準報酬月額:8.8万
        ④社会保険料負担額:16万(年間)
          ※本人の手取り額:① - ④ = 106万(変更なし)
          ※社会保険適用促進手当 = 年収:106万 × 15% = 15.9万(16万)
      ■ 2年目
        1年目と同じ
      ■ 3年目
        ①年収:125万(時給1,199円)(社会保険適用促進手当含む)
        ②所定労働時間:週20時間
        ③標準報酬月額:10.4万
        ④社会保険料負担額:19万(年間)
          ※本人の手取り額:① - ④ = 106万(変更なし)
          ※年収増加分:106万 × 18% ≒ (約)19万

②労働時間延長メニュー
       所定労働時間の延長により社会保険を適用させる場合に事業主に対して助成されます。
       以下の表の①~④のいずれかの取組を行った場合に、労働者1人あたり中小企業で30万円(大企業の場合は22.5万円)の支給となります。

週所定労働時間の延長 賃金の増額 1人当たり助成額
4 時間以上 30万円
3 時間以上 ~ 4 時間未満 5 % 以 上 30万円
2 時間以上 ~ 3 時間未満 10 % 以 上 30万円
1 時間以上 ~ 2 時間未満 15 % 以 上 30万円

③併給メニュー
    ※①手当等支給メニューと②労働時間延長メニューを組み合わせたものとなります。

2)130万円の壁への対応(事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)
事業主の証明による被扶養者認定の円滑化は、「130万の壁」への対応策として、令和5年10月20日以降に適用され、繁忙期に労働時間を延ばすなどにより、収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、引き続き社会保険の扶養に入り続けることが可能となる仕組みを作ります。

●一時的な収入変動と認められる上限額はいくらまで?

「一時的な収入変動」の具体的な上限額については・・・・・・

・仮に上限を設けた場合、当該上限が新たな「年収の壁」となりかねないこと。
・一時的な事情によるものかどうかは収入金額のみでは判断が困難であること から、お示しすることは困難であるため、雇用契約書等も踏まえつつ、当該増収が一時的なものかどうか判断されます。

●事業主の証明を提出できるのは何回まで?
今回の措置(事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)については、あくまでも 「一時的な事情」として認定を行うことから、同一の者について原則として連続2回までを上限とすることとされています。したがって、連続2回とは被扶養者の収入確認を年1回実施する場合は連続する2年間の各年における収入確認において事業主の証明を用いることが「連続2回」となります。

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